ともだちとぶつかって歯がグラグラしている
公園で遊んでいて歯をぶつけた
今まで、ご自身のお子さんやまわりのお子さんで、上記のような事故があったかたもいらっしゃるかもしれません。
今日はそんな緊急事態であわてず冷静に正しい行動ができるようにするためにはどうしたらいいのかを解説していきます。
実はぶつけた歯の状態によってその後の対応が異なります。
ざっくり
- 歯が欠けた
- 歯が抜けた
- 歯が埋まってしまった
の3つが考えられます。
それでは1つずつ解説していきましょう
※日本小児歯科学会のガイドラインを参考に書いています。
①歯が欠けた という状況から
これは欠けた歯のサイズにもよるのですが、まずはできるだけ欠けた破片を探してみつけてください
もし破片がみつかった場合
破片があれば欠けてしまった歯を元どおりに近い形、事故が起こる前の見た目に戻すことが容易になります。
ただし、完全に元どおりになるわけではなく接着剤で元の場所にひっつけるだけなので同じような力がかかるとすぐに外れてしまう可能性もありますが・・・
もし破片がみつからなかった場合
それは仕方がありません。なので歯とひっつく樹脂の材料で元の歯の形態をつくっていきます。
歯が欠けた場合、重要なのはどの位置で歯が欠けたかです。
歯の神経よりも上なのか下なのか
基本的に歯が欠けたことによって歯の神経が見えるような状態では、神経に対して処置を行います。
こちらも2パターン考えられます。
- 歯の神経が助けられない場合
歯の神経を取る処置をおこないます。 - 歯の神経が助けられる場合
神経をのこすための特殊なお薬(MTAセメント)を使用し神経を生きた状態のまま保存します。
②歯が抜けた という状況なら
こちらも歯が欠けた場合と同様に、抜けた歯をさがしてください。
そしてその抜けてしまった歯は、牛乳またはお口の中にいれて(飲み込まないように!)かかりつけの歯医者さんへ行ってください!
- 抜けてしまった歯は牛乳またはお口のなかに入れる
これが重要なポイントになってきます。
歯の根っこ表面には「歯根膜」という細胞がついています。
この歯根膜は根っこと骨をつなぐ重要な役割をしています。ですので根っこ表面の歯根膜細胞を守ることは非常に重要になってきます。
そこを水道水できれいに洗うと浸透圧の関係で細胞が死んだり、ティッシュにくるんで乾燥状態にしたりしてしまうと表面の歯根膜細胞は死んでしまいます。
以上の理由から、抜け落ちてしまった歯は歯根膜を守るために
牛乳またはお口のなかにいれるのです
③歯が埋まってしまった という状況なら
その状態のまますぐに歯医者へ!
治療としては、
- その状態のまま様子をみる
- ゆっくりひっぱりだす。(矯正治療)
- 歯をその場でひっぱりだす。
どの治療法でものちに神経を取る処置をする可能性があります。
いずれの状況であっても、迅速に歯科医院へ来ていただくことが非常に重要になってきます。
スピード勝負です!
まとめ
全体の流れをフローチャートにしました。