『大人から子供へ虫歯菌はうつるの?』
答えは”イエス”です!
お口の中には様々な常在菌がいます。
しかし生まれたてのの赤ちゃんのお口の中は無菌状態です。
ではどこから菌はやってくるのでしょう
実は虫歯菌は周りの大人の方(特に母親などの保育者)から感染し定着していきます。
大体8ヶ月目くらいから歯が生え始め、3歳ごろに乳歯が生え揃います。
その間の19ヶ月〜31ヶ月(約1歳半〜2歳半)が一番感染しやすい時期で、これを“感染の窓”と言います。
この感染の窓を乗り越えて、感染を遅らせれば遅らせるほど大人になっても虫歯になりにくいというデータがあります。
では、大人から赤ちゃんへの感染を防ぐにはどうすれば良いのでしょう
・チューをしない?
・同じ箸やスプーンを使わない?
・関節キスをしない?
残念ながらこれらで完全に感染を防ぐことはできません。
なぜなら、熱い食べ物をフーフーして冷ましても唾液が飛びますし、話しかけているだけでも少なからず唾液は飛んでいたりと、どこかで感染を起こしてしまいます。
しかし感染を最小限に抑える方法はあります。
それは、細菌の量!!
大人の口腔内には何万種類もの常在菌がいます。
その中に虫歯菌(ミュータンス菌等)や歯周病菌(p.g菌等)が存在しているのですがそれらが多いほど虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
ちなみに歯周病菌の感染に関しては18歳以降のお話になるのでまたの機会にお話します。
つまり、大人の方の虫歯菌が多ければ多いほど、たくさんの虫歯菌が赤ちゃんに感染します。
たくさん虫歯菌がいる方が虫歯になりやすいのは当たり前ですよね。
ですのでこの時期(感染の窓)の周囲の大人の口腔内環境はとても重要になります。
虫歯菌の感染を恐れるあまり赤ちゃんとのスキンシップがなくなるよりも、口腔内の環境を清潔にする方がいいと思いませんか?
当院ではマイナス1歳からの予防歯科を推奨しております。
赤ちゃんがまだお腹の中にいる時期からお母さんやお父さん(もちろん、おじいちゃんおばあちゃんも)の口腔内を整えます。
そのために必要なのはまず定期検診です!
今虫歯や歯周病になっていないかを調べ、なっている場合は治療を行います。
歯石や、ご自身では取りきれない汚れ(バイオフィルム)を専用の機械を使用し徹底除去することで口腔内の細菌は大幅に減少します。
しかしながら細菌を0にすることはできません
一度減った菌はおよそ3ヶ月ほどで増えてくるというデータがあります。
ですので3ヶ月に1度のクリーニングを行う事で口腔内の環境を維持していきます。
大切なお子様のお口の健康を守るために、まわりの大人の方たちのお口の環境を見直してみませんか?